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重層下請構造という戦後作り上げられた建設生産システムが見直しを迫られる可能性も否定できません。
 この章では、大手・準大手各社のプロフィール、業績を見ていくことにします。
プロフィールは、各社の有価証券報告書、ホームページ、社史などからまとめたものです。
■プロフィール 大倉組商会の建設部門としてスタート。
1887年、渋沢栄一、大倉喜八郎、藤田伝三郎が出資し、日本初の法人有限責任日本土木会社が設立されました。
当初は国の工事を独占する目的で設立されたものの、会計法の制定で独占が許されなくなり1893年に解散。
代わって同年、大倉組土木が設立されます。
 1946年、財閥解体によって大成建設に変更。
 「大成」とは、創業者である大倉喜八郎の戒名「大成院殿礼本超邁鶴翁大居士」が語源です。
「大成」という文字は、「孟子万障下篇」の「衆の長所を集めて一大長所をつくる」の「集大成」の意味を持ち、完全に成し遂げること、多くのものを集め作り上げることの意味に当てられていることから、建設業には最もふさわしい社名として採用されました。
目過去5年の累計連結営業利益率は業界トップ 2006年3月期の連結経常利益は554億円と、鹿島と並び、ゼネコン業界ではトップを誇っています。
売上高においても1兆7,440億円と鹿島の1兆7,753億円とならびトップクラスにあります。
連結売上高の内訳は建設事業が全体の88%、開発事業が全体の7%、その他5%となっています。
連結営業利益の内訳は建設事業が全体の64%、開発事業が全体の31%、その他5%となっていて、開発事業の相対的な利益率の高さが際立ちます。
 連結有利子負債に対する株主資本の比率は144%と、鹿島の同154%に比べれば低いものの、大林組、清水建設の58%、76%と比べれば高くなっています。
つまり、相対的に高いレバレッジを効かせながら、相対的に高い連結経常利益を稼いでいることが特徴です。
 同業他社と比較するため、単独ベースの売上高の内訳を見ましょう。
鹿島の海外売上高の大半が連結ベースでの数字になるため、ここでは単独ベースの国内建設工事を比較します。
同社の場合、同業他社と異なり戸建住宅事業があるため、この戸建住宅事業を除いた国内建設工事の売上高は1兆L655億円です。
このうち、官庁工事は全体の21%、民間工事は全体の79%となっています。
土木、建築工事別内訳は土木工事が全体の22%、建築工事が全体の78%となっています。
同社と売上高、利益の双璧をなす鹿島と比べると、鹿島の官庁工事の同比率は18%、民間工事は82%。
土木工事の同比率は23%、建築工事の同比率は76%であり、概ね同じような建設工事の内訳となっています。
 また、連結売上高に占める海外売上高の比率は9.2%となっています。
全体の61%がアジア、18%が中東、10%が北米です。
連結子会社には上場企業の、不動産販売、賃貸事業を手掛ける有楽土地を抱えています。
有楽土地の2006年3月期、連結経常利益は80億円で、最大手ゼネコンが抱える連結子会社のなかでは最も大きな連結子会社です。
 過去5期の連結売上高と連結営業利益を累計すると、同社は連結売上高が8.4兆円、連結営業利益が2,690億円、連結営業利益率は3.2%です。
過去5期で営業利益を最も稼いだのが同社で、その営業利益率は業界内で最も高い水準です。
連結子会社の有楽土地を抱えている影響が最も大きいと言えます。
 2006年度は同社が掲げた中期経営計画の最終年度です。
中期経営計画における連結経常利益の目標は520億円でしたが、同社の今年度の連結経常利益目標は550億円となっていて、当初の利益目標は上方修正されています。
以下、決算短信より同社の対処すべき課題について抜粋します。
 同社が対処すべき課題として認識しているのは次の4点です。
(1)受注の拡大、(2)厳しい価格競争下における利益の確保、(3)増加する施工量への対応、(4)コンプライアンス(法令遵守)の徹底。
 これらの4つの課題を克服するための施策としては以下を掲げています。
 受注の拡大については、以下の4点。
①選別によって受注効率を高める。
国内においては開発案件に加えて、市街地再開発事業および官民プロジェクトやPFI(民間による公共社会資本整備)および不動産証券化に取り組む。
景気回復に伴い生産・物流・店舗施設の受注拡大。
②海外においては産油国を中心に大型プロジェクトの入手を目指す。
③「提案力」「企画力」「技術力」を強化して企業としての総合力を高め、価格だけでなく顧客に提供する付加価値を評価してもらう受注の拡大。
①首都圏や海外などの拡大する市場には重点的に営業要員を投入する。
 厳しい価格競争下における利益の確保については以下の2点を課題としています。
①施工段階におけるコストダウンだけではなく、人手前のさまざまな取引により入手時の採算性の向上を図る。
②業務の効率化により本支店組織のスリム化を推進し、販管費を含むすべての経費の削減を行う。
 増加する施工量への対応については、以下の4点。
①業務の大幅な見直し、簡素化を図る。
②総合職、専任職、再雇用者等の役割を明確化し、業務の効率化を図る。
③受注拡大にともない、施工部門への人員シフトを行う。
特に受注が急増している海外に対する施工支援体制を整備。
④専門工事業者の能力向上を図るとともに、当社と専門工事業者の役割を明確にする。
 コンプライアンスの強化については、以下の3点。
①社外の有識者を含むコンプライアンス委員会を設置する。
②コンプライアンス体制の整備・運用状況を常に検証し、改善が必要な場合には即時に処置する。
③社内教育の徹底を図るなど、社員の業務執行が法令に適合することを確保するための体制をさらに強化する。
 同社の中期経営計画は2006年度が最終年度となっていて、2006年度中には次の3年に向けたメッセージが出てくるものと思われます。
・プロフィール 大阪生まれの創業者大林芳五郎が土木建築請負業を修業しようと上京し、遷都に伴う皇居造営を請負っていた砂崎庄次郎の膝下に入ります。
5年の修業を終えて大阪に戻り、請負金12万1,000円という超大型工事であった総煉瓦の阿部製紙工場を落札します。
このとき、芳五郎は土木建築請負業としての「大林店」の名を掲げ創業します。
1892年、芳五郎27歳のときでした。
 1904年、店名を正式に「大林組」と改名、東京にも事務所を開きます。
1911年、日露戦争によって中断されていた東京中央停車場(その後、東京駅に改名)建設工事の入札をすべて落札します。
明治建築界の元老辰野金吾博士の設計で、関東大震災においてもまったく被害を受けず、第2次大戦中の東京大空襲の際にも直撃を受けながら上部の被害だけに留まりました。
1912年、明治天皇が崩御され、その伏見桃山御稜造営の特命を受けます。
1918年、株式会社大林組が創立されます。
目配当性向をベースに配当を実施 2006年3月期の連結経常利益は508.59億円と最大手ゼネコン4社のなかでは清水建設の同519億円に次いで4番目の水準です。
売上高も1兆4,764億円と清水建設の1兆4.994億円に次いで4番目の水準です。
連結売上高の内訳は建設事業が全体の97%、不動産事業が全体の2.5%、その他0.5%となっています。
連結営業利益の内訳は建設事業が全体の82%、不動産事業が全体の18%となっています(連結消去前)。
大成建設などと比べると、建設事業への依存度が極めて高いことがわかります。
 連結有利子負債に対する株主資本の比率は58%と最大手ゼネコンのなかでは清水建設の同76%を下回る水準にあります。

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